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コラム

コラム 2023年06月19日

医薬品と健康食品の飲み合わせに注意(ビタミン編)

いくつになっても元気に歩くためにできること

新橋店薬剤師の土屋です。

私は以前,健康食品やサプリメントの体に対する働きや医薬品との相互作用などに興味を持ったことがきっかけで,日本食品安全協会が認定する健康食品管理士という資格を取得しました。

興味がある得意分野の知識を活用し,少しは皆様のお役に立てる話ができたらと思います。

「医薬品と健康食品の飲み合わせ」とは

「医薬品と健康食品の飲み合わせ」とは、健康食品が体内で薬と出会うと薬の作用が強くなったり,逆に弱くなったりすることを言います。

今回は健康食品やサプリメントの中で特に身近な存在である「ビタミン」に限定し、医薬品との飲み合わせについて表を作成しましたので、皆様に認識をしていただけたらと思います。

なお、「健康食品」と「サプリメント」という用語に関しては両者に明確な定義はなく、一般的に健康食品は健康に良い食品のこと、サプリメントは錠剤やカプセルの形をした健康食品のことです。つまり、この2つの違いは形態のみと考えられていますので広い意味では「サプリメントは健康食品の一部」とイメージするのがよろしいかと思います。

サプリメントと医薬品相互作用チェック表(代表例の一部)

ビタミン 期待される働き 医薬品成分名(分類) 飲み合わせ
ビタミンA ・夜間の視力維持
・皮膚や粘膜の保護
ワルファリンカリウム(血液凝固防止薬) ワルファリンカリウムの作用増強の可能性
ミノサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質) 激しい頭痛が生じる可能性
エトレチナート(角化症治療薬) ビタミンA過剰症と類似した症状発現の可能性
トレチノイン(抗悪性腫瘍薬)
ビタミンB6 ・タンパク質の代謝
・神経機能の維持
レボドパ(パーキンソン病治療薬) レボドパの作用減弱の可能性
ビタミンC ・コラーゲンの合成
・抗酸化作用
アセタゾラミド(利尿薬) 腎、尿路結石が生じる可能性
エストロゲン(卵胞ホルモン製剤) 血中エストロゲン濃度上昇の可能性
ビタミンD ・カルシウムの吸収促進
・骨、歯の形成
ジゴキシン、ジギトキシン、メチルジゴキシン
(ジギタリス製剤)
作用増強によるジギタリス中毒の可能性
ビタミンE ・抗酸化作用
・手足末梢の血流増加
アスピリン,チクロピジン,クロピドグレル
(抗血小板薬)
出血傾向を強める可能性
ワルファリンカリウム(血液凝固防止薬)
ビタミンK ・血液凝固因子の合成
・骨、歯の形成
ワルファリンカリウム(血液凝固防止薬) ワルファリンカリウムの作用減弱の可能性
葉酸 ・赤血球の形成
・核酸、タンパク質の合成
フェニトイン(抗てんかん薬) フェニトインの作用減弱の可能性

サプリメントの相談も薬局へどうぞ

身近な存在であるビタミンだけでも、多くの飲み合わせがあることがおわかりいただけましたでしょうか?

健康食品やサプリメントは食品だから、薬との飲み合わせは考えなくてもよいだろうと安易に考えず、処方せんの調剤を受けたり市販薬を購入したりする際には、必ず薬剤師や登録販売者などに申し出ていただき、飲み合わせをチェックしてもらうようにして欲しいと思います。

飲み合わせに問題がある場合でも、摂取量や摂取のタイミングによっては併用できる場合もありますので、薬剤師などが適切な判断やアドバイスをいたします。

日頃患者様と接する際に、摂取している健康食品やサプリメントの名称をすぐに思い出せない患者様が多いと感じています。
摂取している、もしくは摂取を検討している健康食品やサプリメントの名称をお薬手帳に記載していただけましたら幸いです。

最後に、お薬に関してはもちろんですが、健康食品やサプリメントに関する相談だけでも、ぜひお気軽に小島薬局の各店舗に足を運んでいただけたらと思います。飲み合わせの確認、購入相談など喜んで対応させていただきます。

【参考】

・食品-医薬品相互作用データベース(城西大学)
・サプリメントと医薬品相互作用チェックDB

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