こんにちは。東椎路店薬剤師清水です。
皆さん、『亜鉛』ってご存じでしょうか?
亜鉛は人体にとって重要な微量ミネラルであり、骨、筋肉、肝臓、腎臓など全身に分布し生体内の300以上の酵素反応に関与しています。亜鉛不足による症状は実に多彩です。
最近は過度なダイエット、ファストフードや加工食品の摂りすぎなどが原因で、亜鉛摂取不足となっている人が増えています。
また、お薬の影響も亜鉛不足につながることもあります。ワタシ達の身体の中から亜鉛が不足するとどんな症状が起こるのでしょう?
思い当たる症状はありますか?
亜鉛は、貧血にも大きく関与しています。
亜鉛不足よって赤血球の膜が脆くなりやすくなり貧血が引き起こされるのです。
また妊婦さん・授乳婦さんは赤ちゃんに栄養を送るため、貧血になりやすく、長距離ランナーさんも、多汗による亜鉛喪失で貧血になりやすいともいわれています。貧血の原因は鉄分ばかりではなかったんですね。
また最近よく聞く味覚異常も、舌表面に多くある味蕾(みらい)中に、味細胞という味覚センサーがあり、この味細胞は新陳代謝がとても速く、約1カ月毎に生まれ変わっていきます。この味細胞の再生には亜鉛が必須ですが、亜鉛は体内で合成したり、蓄えたりできないため、亜鉛が不足すると味覚異常が感じられるのです。
また糖尿病にも深く関与しており膵臓にあるβ細胞での亜鉛分泌が少ないことで、インスリンという血糖値を下げるホルモンが肝臓で分解されてしまい、結果、筋肉などの末梢組織に届く全身のインスリン量が減少し、2型糖尿病発症のリスクを高めるそうです。
ではどうやって亜鉛を補っていけばよいのでしょうか?
1日の亜鉛摂取推奨量は、成人男性で10mg、成人女性で8㎎となっています。牡蠣だとおそよ5粒で7.9mgの亜鉛が補えるそうです。偏りすぎず普段の食生活に取り入れられるとよいですね。
逆に亜鉛の過剰摂取が、健康に悪い場合もあり注意が必要です。
亜鉛の過剰摂取が原因で銅欠乏症、鉄欠乏性貧血、胃腸障害(吐き気など)、血清膵臓酵素上昇などが起こる事があります。
いかがでしょうか。なんとなく耳にしたことがある『亜鉛』。どちらにしても摂り過ぎ、不足も身体に良くはないということですね。普段の食事に上手に摂り入れるように心かけましょう。