薬の飲むタイミング

皆さんこんにちは、新橋店　薬剤師の石田と申します。

来局された患者様より薬を飲むタイミングについてご質問を頂くことがあります。
今回はそんな「薬の飲むタイミング」と「飲み方」についてご紹介いたします。

飲み薬には「飲むタイミング(用法)」というものがあります。

このような決まりがあるのには
「薬の効果に影響が出るのを防ぐため」、「症状に対して薬を正しく効かせるため」など、
様々な理由があるからです。下記にその一例をご紹介いたします。

商品名	成分名	効能・効果	用法	理由
クレメジン	球形吸着炭	腎不全の進行を遅らせるお薬	食間服用	他の薬と一緒に服用するとクレメジンが他の薬の吸着してしまい、クレメジン以外の薬の効果がさがってしまうのを防ぐため
ナウゼリン	ドンベリドン	吐き気止め	食前服用	食事による吐き気を防止するため
プリンペラン	メトクロプラミド	吐き気止め		食事による吐き気を防止するため
リンゼス	リナクロチド	便秘薬		食後に服用すると発生しやすくなる、下痢などの副作用防止のため
グルファスト	ミチグリニド	血糖値を下げるお薬（速効性インスリン分泌促進薬）	食直前服用	食直前に服用することで、食後の血糖値の上昇を抑える狙いがあるため
シュアポスト	レパグリニド	血糖値を下げるお薬（速効性インスリン分泌促進薬）
ベイスン	ボグリボース	血糖値を下げるお薬（α-グルコシダーゼ阻害薬）
セイブル	ミグリトール	血糖値を下げるお薬（α-グルコシダーゼ阻害薬）
ビラノア	ビラスチン	アレルギーを抑えるお薬	空腹時服用	食後に服用すると薬の吸収などに影響が出て、効果がさがってしまうため
バラクルード	エンテカビル	B型肝炎のお薬	空腹時服用	食後に服用すると薬の吸収などに影響が出て、効果がさがってしまうため

また多くの薬が該当する「食後服用」については

などの理由の下で食後服用になっていることが多いです。

基本的に飲み薬は水かぬるま湯で服用して下さい。これは飲み物によっては薬の効果に影響が出てしまうものもあるためです。
理由について、一例をご紹介します。

グレープフルーツジュースと一部の降圧剤（アムロジピン、ニフェジピン、アゼルニジピンなど）: 降圧効果が強まってしまいめまいやふらつき、頭痛などの副作用が出てしまう。
牛乳やミネラルウォーターと一部の抗菌剤(ニューキノロン系、テトラサイクリン系など): 牛乳に含まれるCaやミネラルウォーター内のミネラルが薬の吸収を妨げてしまう。
コーヒーなどのカフェイン含有食品とテオフィリンなど: カフェインと類似成分のお薬である点や、互いに体内での分解を邪魔し合ってしまうため動悸や吐き気などの副作用が出やすくなってしまう。

今回は薬を飲むタイミングと飲み方についてご紹介いたしました。
少しでもお役に立てれば幸いです。

生活習慣が多様化している昨今、日中の服用が困難な方や生活リズムの都合で飲み忘れてしまう方など薬の飲み方にお悩みの方も少なからずいらっしゃると思います。

場合によってはお薬の飲むタイミングについては医師へのご相談・ご提案などを行い、より患者様の生活習慣に合った用法に変更できる可能性もございます。
お困りの方や気になる方は是非一度、小島薬局各店の薬剤師にご相談ください。

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