サクラ店薬剤師の戸花です。
本格的な花粉症シーズンにはいりました。すでに薬局でお薬をもらっている方も多いのではないでしょうか。
今回は花粉症などの季節性アレルギーに処方されることの多い点鼻薬についてです。
文字の通り点鼻薬は鼻の中に粘膜に直接噴射するので、内服薬よりも効き目が早く全身への副作用が起こりにくいものとされています。
ですが、鼻に直接噴射することが難しい、効いていない気がするといったご相談をいただくことが多くあります。
今回のコラムでは、点鼻薬の種類の話から使い方、注意点などをご案内いたします。
点鼻薬の種類
点鼻薬の種類は主に3種類あります。
- ステロイド点鼻薬
抗炎症作用でアレルギーの炎症を抑えます。花粉症の方に主に処方される薬剤です。
即効性はありませんが、毎日使用(4~5日程度)することで効果が出てきます。
ステロイドと聞いて怖いとイメージされる方もいるかも知れませんが、局所的に効果を出し、全身に吸収されにくいため、使用量を守って使用すれば安全な薬剤です。炎症が悪化しないように1日に決められた回数を噴霧しましょう。
- 抗ヒスタミン点鼻薬
飲み薬で使われている抗アレルギー薬を点鼻薬にしたものです。即効性はありますが鼻づまりには効果が出にくいです。
飲み薬で眠気が出てしまうような場合に使用されます。飲み薬の抗アレルギー薬と同じように症状が出る期間は継続的に使いましょう。
- 血管収縮点鼻薬
鼻粘膜の血管を収縮させて鼻づまりの症状に即効性があります。使用頻度が多くなると効きにくくなる事があるので、決められた回数の範囲で使用しましょう。
点鼻薬の種類
点鼻薬には薬剤を鼻の中に噴霧するタイプと薬液を鼻の中に滴下するタイプの2種類があります。それぞれ使用方法が異なります。
噴霧するタイプの使用方法
- 鼻をしっかりかみます
- 手をきれいに洗ってください
- 使用前に容器をよく振ってください。※噴霧器の中には最初に噴霧する前に空打ちをして正常に薬液が出るか確認作業が必要(2回目以降は必要なし)パウダータイプのものは各薬剤毎に薬剤の充填作業を行う。
- 片方の鼻孔をふさぎ、他方の鼻孔内に容器の先を入れて軽く息を吸いながら噴霧してください。容器を横にして使用すると薬液が正常に噴霧できない場合があるため注意してください。
- 薬液を奥まで行き届かせるため頭を後ろに傾けた状態を数秒間保ってください。・薬液が喉のほうに流れてしまったらうがいをしましょう
- 容器の先端は使用後、きれいにふき取りましょう。
滴下するタイプの使用方法
- 鼻をしっかりかみます
- 手をきれいに洗ってください
- 頭を後ろに傾けるか、仰向けで横になって鼻の穴が上に向くようにして滴下しましょう。
- 薬液を奥まで行き届かせるため頭を後ろに傾けた状態を数秒間保ってください。・薬液が喉のほうに流れてしまったらうがいをしましょう。
- 容器の先端は使用後、きれいにふき取りましょう。
点鼻薬はつらい花粉症の症状には効果的です。飲み薬と合わせて使用するとより効果が期待できます。正しく使ってつらい花粉症を乗り切りましょう。