在宅センターの大川です。
コラムを通して、小島薬局が在宅医療へ取り組む背景について知っていただければ幸いです。
在宅医療とは、通院が困難な方に対して、ご自宅へ訪問して行う治療や介護ケアのことです。医師をはじめ、薬剤師、理学療法士、ケアマネージャー、ヘルパーなど多くの職種が連携し、チームとなってサポートします。薬剤師はずっと薬局にいるイメージを持たれている方もいるかと思いますが、薬剤師の働き方も時代と共に変化を迎えています。
皆さんは「2025年問題」をご存じでしょうか?
2025年問題とは、団塊の世代と呼ばれる第一次ベビーブームの時期に生まれた方々が75歳以上を迎え、超高齢化社会が訪れることで生じる様々な影響を言います。内閣府公表の令和元年版高齢社会白書によれば、2025年には75歳以上の後期高齢者人口が2180万人に、
65~74歳の前期高齢者人口の1497万人を足すと3600万人以上となり、日本総人口1億2254万人の約30%がいわゆる「高齢者」となる計算です。残り3年で直面するこの問題は、もはや悠長に先送りできないところまで来ています。
そこで注目されているのが、「地域包括ケアシステム」です。
地域包括ケアシステムとは、高齢者が重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで送ることができるように、<医療><介護><住まい><生活支援・介護予防>を地域一体で支援する体制のことです。地域ごとに高齢化の程度や医療格差があるため、市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。
在宅特化型薬局では在宅業務に専念できることが大きなメリットです。薬剤師の柔軟な対応が可能となり、緊急時も速やかにお薬をお届けできる体制が整っています。無菌調剤室も設置しているため、輸液や注射剤の調剤も可能であり、あらゆる場面に対応できるように備えています。医師の訪問診療に同行し、薬学的視点からの意見をお伝えさせていただくこともあります。薬剤師の活躍の場は広がりを見せています。
新型コロナウイルスの影響もあり、入院では面会が難しいことから、自宅療養を選択される患者様が増えているため、在宅医療のニーズはものすごい勢いで増大しています。
私も1人でも多くの患者様に「お薬」と「笑顔」を届け、地域医療を支えられるように、日々研鑚を積んでまいります!