皆さまこんにちは。緑ヶ丘店薬剤師の小林です。
今回はお薬手帳の必要性、重要性についてお伝えしたい内容を書かせていただきました。
薬局に処方箋をもっていくと、「お薬手帳はお持ちでしょうか?」と聞かれることがあるかと思います。
お薬手帳は家にあるけど持って行くのが面倒という方や、定期的に薬を飲んでいないので、必要ないと言う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、お薬手帳を持っていると様々なメリットや便利なことがあります。
どの医療機関で、いつ、どのような薬をどのくらいの期間飲んだかを記録するものです。
また、お薬手帳にはアレルギー歴や副作用歴、既往歴などの情報を記載することもできます。
これらの情報は、医師が治療方針を決定する際や、薬剤師が飲み合わせや過去の服用歴・副作用歴を確認する上で活用し、患者様に安全で適切な薬を提供するために重要な情報源となります。
①お薬代が安くなる
お薬手帳を6ヶ月以内に同一薬局に持参した場合に、医療費の自己負担が1割の方は10円、3割の方は40円ほど自己負担金額が安くなります。
②飲み合わせの確認ができる
薬には、一緒に服用しない方がよいものがあったり、名前が全く似ていない薬でも、同じような効能効果や成分のものもあったりします。
お薬手帳を利用することで、薬についての情報を共有し、安全に服用することができます。
③他院への受診の際の情報伝達がスムーズになる
いつも受診している病院以外の病院を受診する場合、お薬手帳を提示することで、医師が普段服用している薬を正確に把握することができます。
①お子様との帰省や旅行に
お子様が小さい時は、急な体調不良でいつもと異なる病院を受診することもあると思いますが、お薬手帳があると初めて診察する医師も迅速に対応することができます。
旅行や帰省する際などには、保険証と一緒にお薬手帳も持って行かれると安心です。
また、食物アレルギーがある場合にはお薬手帳に記載しておくとよいでしょう。薬の添加剤には卵や食物由来のものが使われているものもあります。
②市販薬・サプリメントの購入時に
お薬手帳には、過去のアレルギー歴、副作用歴を記載する欄がありますので、医療機関だけでなく、ドラックストアで、市販薬やサプリメントを購入する場合にも、リスクを減らすことができます。
定期的に病院に行く事がなく、薬もほとんど飲む事がない方でもお薬手帳を利用していただけたらと思います。
③長期間・複数の薬の服用に
生活習慣病や慢性的な病気になると、長期にわたり薬を服用することもあります。年齢に伴って、薬の数や受診する医療機関も増えてくることがあります。
服用する薬が増えると、飲み合わせが悪いことや、副作用のリスクも増えてきますので、お薬手帳があると、服用開始時期や期間を確認することが簡単にできます。
④急な災害時に
現在電子お薬手帳も普及していますが、災害時に携帯電話の充電が切れてしまうと、詳細を確認することができません。お薬手帳があればすぐに確認ができます。
定期的に薬を服用されている方は、過去のお薬手帳を防災バックに入れておくのも良いでしょう。
Q.いつも同じ薬なのに毎回手帳を出す必要があるの?
A.お薬手帳に毎回シールを貼る事で、現在服用している薬を確認できるのに加え、先々に過去の服用期間を確認する事ができます。
また、普段決まった薬局で薬をもらっている方が、都合により別の薬局でもらった場合、どちらの薬局でも継続的に服用している事を把握する事が容易にできます。
Q.マイナンバーカードはお薬手帳の代わりになるの?
A.「いずれはそうなります」という段階です。
制度的に完全に移行できていないということと、病院や薬局でもまだ対応できていないところもあり、今のところは、併用していただいているのが現状です。
ただ、医療機関を受診した際に、マイナンバーカードを利用していただくと、お薬手帳を忘れた場合でも、現在飲んでいる薬や、過去の服用歴、健康診断の結果などを確認する事が可能になります。
薬はリスクを伴う場合もありますが、きちんとリスクを理解できている方ばかりではありません。
健康で若い人であっても、市販の風邪薬を買ったり、サプリメントを使ったりと、薬を使用する機会があると思います。
お薬手帳を活用する事で、同じような効果の薬を重ねて飲むことを防ぐだけでなく、副作用やアレルギーを引き起こす可能性がある薬の処方や服用を防ぐこともできます。
どんな方でも、薬を安全に使用するために、ぜひ病院や薬局にお薬手帳をお持ち下さい。
2022年より始まった本コラムですが、毎月の更新は今回で一区切りとなり、以降不定期での配信となります。本日まで読んでいただき誠にありがとうございました。